往西俊治のブログ

思ったことを書く

そろそろ始まるか?

 


↑NYダウは高値更新(tradingview 日足)



↑ナスダックは7営業日内の安値更新(実際は更新してないがほぼ更新)(tradingview 日足)

 

「そろそろか?」
という印象。

 

もちろん、今日7/24にナスダックのリバランスがあるので売られたという分もあるでしょう。しかし、ここんところの値動きはリバランスだけではなく、半導体やコロナ特需企業の業績不振(通期予想含む)によるものだった。


TSMCASMLは今回の決算でAI相場の行き過ぎに警鐘を鳴らしている。

 

高値圏で、各指数の間の値動きに明確な乖離が見られる場合、下落サインになる場合が多い。(この乖離のことをダイバージェンスと言う。天井を示唆する場合、ネガティブ・ダイバージェンスと呼ぶ)
(売られる方から先に資金が抜けていき、持ちこたえている(上昇している)方からも最終的に資金が抜けていくため)

#他に気になる点:

 


↑バルチック海運指数もさらに下げてきている(tradingview 週足)

 

バルチック海運指数は景気後退前に下げるのが通常。(ただし、戦争が起きると上昇する)

コロナショックの前も、不審といえるほど下げ続けていた。

リーマンショックの時も急落後にリーマンが破綻した。

 

 

 


クレディスイスや米銀行が破綻している中の逆行相場。
下げの燃料(個人投資家機関投資家)は十分過ぎるほど蓄積されていると言える。



(追記:2023/07/30)
ナスダックは今年に入って4000$(+35~40%)近く上げているが、値上がり銘柄数が途方もなく少ない状態が長く続き、これが常態化している。

それどころか、株価が右肩上がりに上昇しているのに、値上がり銘柄数は右肩下がりにむしろ減っているという完全なネガティブ・ダイバージェンスが発生。

ナスダックは一部の銘柄(AI関連銘柄、超人気銘柄等)だけに頼って株価を上げただけに過ぎない。

逆説的になるが、各指数のうち一番弱いのは実はナスダックである。

ナスダック市場とは新興(ベンチャー)市場である。破綻したシリコンバレー銀行やファーストリパブリック銀行の上位顧客は新興(ベンチャー)企業であった。
このことは非常に興味深く、現時点のナスダック市場の歪んだ動態に密接な関連性が有ると思う。

(ナスダック上場のより多くのマイナー企業は実質上、経営難にあるが、一部のAI関連銘柄、超人気銘柄の指数寄与度があまりにも高いせいで、指数が吊り上がっているので、そのことに誰も気づかない)

 

コロナ暴落前(2020年1、2月頃)、ナスダックの株価は右肩で上昇しているのに、値上がり銘柄数がどんどん減っていくという明確なネガティブ・ダイバージェンスが発生していた。2018年の世界同時株安然りである。

このとき、NYダウ、SP500にはこの現象は見られなかった。
(米株の天井を把握するにはナスダックのネガティブ・ダイバージェンスが近年では最も確度が高い)

ナスダックは新興市場ではあるが、NYSE(NY証券取引所)よりも全世界から資金が集中し一部の超人気銘柄にのみ資金が集中しやすいという特性は前々からあった。GAFAMはもともとナスダック銘柄である。

(ナスダックの売買代金は膨れ上がる時は30兆~40兆円だが一般に、常にNYダウを凌駕する(例えばアップルだけで1日の売買代金が約2兆円で、東証日経平均の1日の売買代金は2~3兆円(今現在の日本株バブルで"行っても4兆5兆"である))

もともと、ナスダックは歪みやすい市場素地を持っているわけだ。
しかしながら、それがあまりにも行き過ぎ、株価が上がり過ぎているにも関わらず、値上がり銘柄数が減り続けるというネガティブ・ダイバージェンスが極大化した場合、既報の通り、危険信号となる。