往西俊治のブログ

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通貨安に起因する株式指数上昇のトリック

日経平均=ドル建て日経平均×為替(ドル円)

なので、ドル円が上がれば日経平均は上昇します。

円安が進行し1ドル150円が200円になれば日経平均は爆上げすることになります。(ドル建て日経平均自体も外国人に買われ260ドル近くまで上がっているのは確かなのですが、円建てと比較すると微々たるものです。ここのところの暴騰は為替のトリックによるところが大きいことでしょう)

ちなみに、ベネズエラやアルゼンチン、トルコなどハイパーインフレに起因する強烈な通貨安を経験している国の株式指数は皆一様に爆騰しています。
これらの国の通貨をドルとのペアで見てみると、強烈な通貨安に見舞われていることがわかるのですが、それと反比例する形で自国通貨建ての株式指数は爆騰しているわけです。

(ドル/ボリバル、ドル/アルゼンチンペソ、ドル/トルコリラ天文学的レベルで爆下げしています)

これは、取りも直さず、インフレによって株式指数が上がっているだけという極めて空虚な構図を意味しているわけです。

今の日本の株式指数上昇の構図は基本的にはこれと同じです。

これは決して喜ばしいことではなく、非常に危険な兆候です。

私はオーストラリアで仕事をしていた時、時給4000~5000円で1日で4万くらい貰っていたのですが、当時のオーストラリアはインフレ(経済は良かった)が進行しており、スーパーに2,3日分の食材を買い出しに行くだけで、2万円くらいかかりました。(コーラが1本500円、はさみが1200円とかそういうレベルです)

いま日本で起きているのは悪性インフレです。

大規模な資産のある金持ちでさえも嫌悪感を露わにしていることでしょう。というのも高価なモノほどインフレの影響を受けます。金持ちでさえ買い控えするようになるのです。